自分でクラブ調整

どこよりも詳しく解説☆シャフト抜き器を使って自分でカチャカチャスリーブの交換をする方法

ツアーADのDI 5Xを使ってみたくてメルカリで探していたのですが、キャロウェイのスリーブ付きしかありませんでした。

タイトリストのスリーブ付きか、スリーブがついていないシャフトが欲しいのに・・。

みなさんも欲しいシャフトに欲しいスリーブがついていないくて困ったことはありませんか?

そういうときほど、目当てのシャフトは高かったりします。

でも、そんな悩みもシャフト抜き器があればすべて解決です。シャフトを変えてゴルフを楽しみたい方は是非シャフト抜き器を持って、たくさんいろんなシャフトにトライしてみてほしいと思います。自分に合うシャフトは必ずあるので、それをみつけて自分だけのクラブセットを作り上げてください。

私はシャフト抜き器を持ってゴルフの上達はもちろん、ゴルフの楽しみ方の世界が広がりました。リシャフトすることでゴルフクラブにバランスや調子などいろんなスペックがあること、それをどうやったら自分に合うように調整できるかを知ることができるので、上達の近道になることは間違いないです。

シャフト抜き器があれば簡単にスリーブ交換できます。どんなスリーブがついているシャフトでも購入でき、結果的に欲しいシャフトが安く手に入るわけです。

シャフト抜き器を購入する初期投資は必要になりますが、今後何十年もゴルフしますよね?その間に何回も好きにシャフト交換できることを考えると、シャフト抜き器の価値は投資以上にあると思います。

でもシャフト抜き器を購入してもできるかどうか分からないという方のために、シャフト抜き器を使用してスリーブの交換を行う一連の作業を、こちらの記事でたくさんの写真を掲載して詳細に解説しました。

メルカリでキャロウェイのスリーブ付きDI 5Xを購入して、タイトリストのスリーブに交換しましたので、ご紹介したいと思います。

グリップについても、劣化したものがついていたり、気に入らないタイプがついていたりすることがありますよね。安いんだけどグリップが・・という時、グリップ交換ができれば問題ありません。

私はバックラインがあるグリップが苦手なのですが、今回のDI-5Xのシャフトにもついていたため、これをバックラインなしのグリップに交換しました。グリップは再利用可能なように切断せず抜いています。

どうぞ最後までご覧ください。

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シャフト抜き器の使い方|カチャカチャスリーブの外し方

今回メルカリで購入したのがこちらのツアーAD DI 5Xです。

こちらにはキャロウェイのスリーブが付いています。

これをタイトリストのスリーブに付け替えます。下がタイトリストのスリーブです。

 

そして今回スリーブの交換に使用したシャフト抜き器はこちらです。

 

もう既に100本以上はこのシャフト抜き器にお世話になっています。ゴルフ仲間のリシャフトもやっていますので。ちなみにヘッドが抜けたりなど、事故は一度もありません。

ではスリーブ交換を始めていきます。

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ソケットを外す

まずスリーブの下に付いているソケットを外します。

なぜこれを先に外すかというと、ソケットは柔らかいプラスチック素材で、スリーブを外す時にヒートガンで熱を加えるのですが、ソケットが真っ先に溶けてしまい、作業しづらくなってしまうからです。

ソケットだけ先に外してしまいます。

外し方は簡単です。

ヒートガンでソケットを温めて柔らかくし、カッターで切って外します。

手順を見ていきましょう。

今回使用したヒートガンはこちらです。このヒートガンは、1500Wで600度まで上がりとても使いやすく、しかも安くておススメです。

ではヒートガンを使ってソケットを温めましょう。熱が一点に集中して熱くなり過ぎないように、ヒートガンかシャフトを左右に振りながら温めます。このヒートガンはスイッチで強さを2段階切替えられます。シャフト抜き器の作業全てを通じて「強」で使用して大丈夫です。

5~8秒くらい温めるとカッターの刃が入る程度に柔らかくなります。それでもカッターの刃が入らない場合は、追加で5秒づつくらいカッターの刃が入るまで温めてください。くれぐれも温め過ぎは厳禁です。シャフトを痛めてしまいます。

ピンぼけ↓ですみません(汗)

これではソケットがまだ取れないので、さらにカッターで切ります。熱が冷めてカッターの刃が入りにくくなった場合は、再度ヒートガンで温めて柔らかくしてから行ってください。硬いまま行うと怪我をする恐れがあるので、無理をしないように。

普通はソケットとスリーブの境目に接着剤が付いているだけなので、下の写真↓ぐらい取れればあとは手でポロッと取れるはずです。時々、ソケットとシャフトがベタッと接着されてしまっていることがあり、その場合はぐるっと1周、ソケットをカッターで取らないといけないこともあります。

ソケットの取り外し、完了です。

スリーブとソケットの境目が接着されているため、写真のようにスリーブの下側にソケットや接着剤の残りが付いていますが、少々は全く問題ありません。

次はシャフトからスリーブを抜いていきます。

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シャフト抜き器でシャフトからスリーブを抜く

ではシャフト抜き器を使って、スリーブを抜いていきます。

六角ボルトを締めてシャフト抜き器のバネを縮める

シャフトをセットする前に、まずやらないといけないことがあります。

シャフト抜き器はバネの力を使ってスリーブを外していくので、バネを縮める作業をしないといけません。付属のレンチで写真↓の右側の六角ボルトを締めていきます。締めるので、レンチは下から上に上げます。

締める時に、写真↓のようにハンドルを持つとかなり締めやすいです。左手でハンドルの手前側を下方向に押さえつけ、右手でレンチを上に回していきます。

シャフト抜き器は万力で固定して使っている方も多いですが、私は机の上に滑り止めマットを敷いて使っています。上の締める作業でシャフト抜き器が動きやすいですが、ハンドルを利用して押さえて締めれば全く問題ありません。

BのマークがB2の位置に来るまで六角ボルトを締めます。

シャフト抜き器にシャフトをセットする

このシャフト抜き器には下のような治具が付属しています。

この治具はスリーブとシャフト抜き器の台の間に挟み、シャフトだけをバネの力で引っ張るようにするための治具です。言葉で説明すると分かりにくいので、写真で説明していきます。

この治具はサイズが異なる半円をくりぬいています。いろんなシャフトの太さに対応できるようにするためです。まず一番小さいサイズにシャフトをあててみると・・ここは小さすぎて入りません。

次は2番目に小さいサイズにあててみます。きつくもなく、わずかにゆとりがあるくらいで入りました。ここで良さそうです。

治具の位置が決まったら、シャフト抜き器の上のハンドルを反時計回りに回してクランプを上に上げ、シャフトを入れます。写真のようにセットして、シャフトを右側に引っ張るとスリーブの端に治具がしっかりと突き当たりますよね。このあとバネの力で写真右側にシャフトを引っ張りますが、スリーブだけが治具に引っかかることでシャフトが抜ける訳です。

スリーブの端をしっかりと突き当てたいため、シャフトを矢印方向に引っ張りながら、上のクランプのハンドルを時計回りに回して締め、シャフトを固定します。

但し、クランプの締めすぎには注意です。シャフトが割れてしまいますので。私は1回やってしまったことがあります(汗)メリメリッと音がしました・・音がしたらもう駄目ですね。

締め具合については言葉での説明が難しいですが、このあと六角ボルトを緩めてバネを伸ばしていく時にシャフトがずれない強さです。

これでシャフトのセットが完了です。

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シャフト抜き器のバネを伸ばしてスリーブを抜く

ではいよいよスリーブを抜いていきます。ここが一番気持ちいい作業です。

まず、スリーブをヒートガンで温めます。ここもヒートガンのスイッチ「強」で使用して大丈夫です。

四方八方から・・

温めます。

ヒートガンを左右に振りながら15~20秒程度、スリーブをまんべんなく温めます。

温めると、スリーブと治具はかなり熱くなるので、十分気を付けましょう。触る必要があるときは軍手やタオルなどを使います。

 

温めたら、次にバネを伸ばすために六角ボルトをゆるめます。レンチで奥から手前へ六角ボルトを回してゆるめます。写真を撮り忘れて、下はシャフトがない写真ですが、イメージはこの写真の通りです。

シャフトがスリーブから少しづつ抜けていきます。いくらゆるめても抜けない場合は、クランプの締め付がゆるく、シャフトが滑っているか、スリーブの温めが足りません。

バネを全て伸ばしきってもシャフトが最後まで抜けきれない時は、シャフトをセットし直し、もう一度やりましょう。2回やれば全て抜けるはずです。

最後は手で軽くぐりぐりしても取れます。熱いので気を付けてくださいね。

ん?シャフトの先に何かついていますね・・

接着剤がシャフトの中に入り込んで固まったものでした。

今回は出てきてくれて良かったですが、シャフトの中に詰まったままの時は、もしどうしも取りたいようでしたら、中に押し込んで、グリップを抜いてグリップ側から取るしかありません。

シャフトの先に詰まったまま残しておいても、鉛であればバランスに影響してきますが、接着剤であれば1グラムもないので問題ありません。

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スリーブとシャフトを綺麗にする

抜けたシャフトと・・

スリーブです。

シャフトは粗目の紙やすりで綺麗にします。

スリーブはまず大きめのカスをピンセットなどで取り除きます。

今回はペンチで取りました。

さらに細かいカスを取り除くために、ホーゼルクリーナーで磨きます。

  

中に入れてグルグル回します。

  

綺麗になりました。

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長さ・総重量・バランスを調整する

無事、スリーブを外すことができましたが、このあと新しいスリーブをただ取り付けるだけでは、自分に合った使いやすいクラブには仕上がりません。

長さ・総重量・バランスを調整しましょう。

長さの調整

まず、もとのクラブと長さを比較しましょう。

接着剤を使わず、スリーブをシャフトに借り挿しした状態にし、長さを比較します。

もし長ければ糸鋸などでカットします。

カットする時は必ず、グリップ側(Butt側)をカットしましょう。先端側(tip側)をカットすると振動数が上がり硬くなってしまいますので。(フレックスでS→Xの振動数になるなど)

もちろんグリップ側をカットする時には、グリップを外さないといけないです。

 

長ければカットすればいいのですが、短い時が大変です。

少々であれば、スリーブを奥に突き当たるまで挿すのではなく、浅めに挿して長さを調整する方法もあります。

但し、浅めに挿すとシャフトが柔らかめになるので注意が必要です。シャフトの種類や長さによっては、1フレックス(SならRの硬さへ)変わることもあります。浅めにするとしても0.5インチ(1.27センチ)までにしましょう。

シャフトを購入する時は、同じがベストですが、なければ長めを購入するなどして、長さには注意したいですね。

今回ここでは、ドライバー標準長の45インチで仕上げます。

総重量の調整

総重量は、ヘッド・シャフト・スリーブ・グリップ、全てを含めて計ります。

私の場合、今のゴルフクラブのセッティングでは、他のクラブの流れからドライバーの総重量は300~305グラム程度にしたいです。
\クラブ長と総重量の考え方についてはこちら/
  ゴルフクラブの重量フローの考え方

今回は、何も調整しないままで300グラム丁度でした。総重量としては狙いの重量に入っています。

バランス

仮組の状態でバランスを計るとC6でした。ちょっと軽すぎますね。

ウェッジがD2、アイアンがD0、ウッドがC9なので、C8~C7くらいにしたいところです。

幸い総重量がプラス5グラムまでの余裕があるので、シャフトの先に4グラム足してみたところ、C8になりました。

今回は、45インチ、304グラム、C8で仕上げたいと思います。

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新しいスリーブを取り付ける

クラブヘッドの底にテープタイプの鉛を貼ってもいいのですが、やはり見えない方がスッキリするので、シャフトの先端にこちらの鉛を入れます。

釘の頭のようなところがシャフトの先端にひっかかり、シャフトの中に入り込まないようになっています。

この鉛に数字が刻まれているのが分かるでしょうか?この数字は重さを表しています。頭の部分は必ず使い、この部分が1グラムあります。4グラム使おうとすると、4と5の間の線で切ればいいわけです。

4グラムに切断し、シャフトの先端に挿します。

ではスリーブを接着していきます。

今回使うのはこちらの【セメダイン製メタルロック】です。ずっとこちらを愛用させて頂いています。かれこれ100本以上リシャフトしていますが、これを使ってトラブルがあったことは一度もありません。安心して使っています。

ではメタルロックを使ってタイトリストスリーブを取り付けていきます。

2種類のジェル状の材料を同じ量だけ出します。スリーブの接着に使う量は、それぞれ小指半分くらいの量で充分です。私はいつもメタルロックのケースの裏側に出して、ここで混ぜています。

必ずチューブの口についた液を拭きとってから、フタを締めるようにしましょう。液がついた状態でフタを締めるとフタが口にくっついて開けられなくなります。私も過去に何度もあったので気を付けています。特に青いチューブの方がくっつきやすいです。

2液をよく混ぜます。

綺麗に混ざりました。

混ぜた接着剤をスリーブに塗ります。鉛はスリーブの中で奥に突き当たって固定されるので、鉛には塗らなくて大丈夫です。鉛に塗ってしまうと、今後またスリーブを取り外すことがあった時に、鉛がスリーブの中に残ってしまったり、シャフトにくっついて取れなくなったりと、厄介なことになることがあります。

混ぜた接着剤が余ったらスリーブの内側にも塗っておきましょう。接着剤をつまようじなどに取って塗ると塗りやすいです。

接着剤を塗ったら、スリーブをシャフトに取り付けます。回しながら挿していくと、スリーブの中でまんべんなく接着剤が付きます。はみ出した接着剤は綺麗に拭き取りましょう。

スリーブ取り付けの完了です!

このまま動かさないように乾燥させます。

メタルロックの説明書きには「5分で動かなくなり、約1時間で実用強度に達します。」とありますが、私は念のため6時間以上は置くようにしています。

乾燥出来たら完成です。

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スリーブ交換完了後の計測結果

このあと計測しましたが、クラブ長45インチ、総重量:305グラム、バランス:C8で仕上がりました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

シャフト抜き器を持っていたら、ゴルフの楽しみ方や知識の幅も広がり必ずスキルの上達も叶います。

ゴルフクラブは自分とボールの間にある唯一の接点なので、そのクラブのことを知ることはとても重要なことです。

その近道がリシャフトだと私は思っています。

いろんなシャフトを試して、自分に合ったクラブセッティングを作りあげてください☆