“パターに形無し”という言葉は聞いたことがあるでしょうか?
「パッティングストロークは人それぞれ違ってよい」とにかく感覚・感性に任せたストロークをするのが一番良いとされています。
とはいえ、まっすぐ打つために、そして距離感を合わせるための基本はあります。
ここではその基本を一から丁寧に解説します。この基本が習得できれば1mのパッティングを90%以上の高確率で入れることができるようになります。
この基本を習得して、ある程度自分のパッティングスタイルが決まったら、自分に合ったパターを1本、自分の手のように扱えるまでにパッティングを確立して行きましょう。
自分に合ったパターにまだ出会っていない方は、パター選びについての記事も後日アップしたいと思っていますので、そちらをご参考にしてみて頂けたらと思います。
※以下解説は右利きでお話しします。左利きの場合は左右逆に読んでください。
パターの基本その1【グリップ】
パターは他のクラブと違い、パター特有の握り方があります。クラブを振り回すのではなく、膝より下で左右にいかに正確に振り子のように動かすかが大事なクラブだからです。
決してアイアンやドライバーのように上から包み込むようには握りません。パターを振り子のように動かすには、グリップは下から包み込んで握る必要があります。
理由は手のひらを上に向けると脇が自然と締まるからです。脇を締めて、肘を軽く曲げて背中・肩甲骨を動かして振り子の要領でストロークします。
パッティングにおいて手や腕の力は一切使いません。手や腕はあくまでも背中・肩甲骨とクラブのつなぎ役です。
使うのは背中・肩甲骨です。
肩甲骨を使った打ち方についてはこちらをご参考に
パターの打ち方|真っ直ぐ打ちたいなら肩甲骨でストローク
そして下から包み込むように握るということさえ気を付ければ、指の握り方は自由です。
但し、これだけはNGです。それは右手の人差し指を伸ばして、グリップの右サイドに真っ直ぐ添わせることです。右手の人差し指を伸ばして握ると、その指が余計な動きをしてしまいます。10本の指の中で一番器用な指が人差し指だからです。ストローク中に「右にプッシュアウトしたくない!」と頭の中でよぎると、指が瞬時に敏感に反応し、インパクトの時に人差し指がクッと引っ掛ける動作をしてしまいます。右手の人差し指を伸ばしている人は、すぐにでもやめましょう。
手はクラブと腕をつなぐ役割だけすればいいです。指のような小さな筋肉でパッティングしていては、いつまでたっても安定しません。
手とクラブは肩から吊られているだけ。背中・肩甲骨の大きな筋肉で手とクラブを振り子のように動かしストロークしましょう。
パターの基本その2【ボールの位置】
ボールの位置はスタンスの中心から左へボール2個分くらいまでの間で調整します。それ以外に置くことはおすすめしません。
スタンスの中心より右におけば、目標方向より右に出るプッシュアウトにもなりやすいです。
そして、極端なハンドファーストになってしまうため、2~4度程度しかないパターのロフト角はインパクトでマイナスになり、スピンがかかりすぎたり、上からたたきつけるため地面との衝撃でボールが浮いたりして、ボールの転がりが悪くなります。
そのようなボールの動きをしている人は、ボールを左に置いてみましょう。
パターの基本その3【スタンス幅】
スタンス幅は自分の距離感が出しやすいスタンス幅でいいです。松山英樹プロのような大きなスタンスでもいいですし、石川遼プロのように肩幅に収まるくらい狭くてもいいです。
しかし傾向としては、上体の前傾姿勢が深い人はスタンス幅を広くする方が安定するし、浅い人は狭くする方が軸ができていいようです。
パターの基本その4【上体の前傾姿勢の角度】
上体の前傾姿勢の角度も自分のタッチが出しやすい姿勢でいいです。
極端に言えばLPGA米国女子ツアーのミシェルウィーのように、背中が地面に平行になるくらい深くてもいいですし、軽く会釈をするくらい浅くても構いません。
ただ、深い前傾は腰をいためますのでそのあたりはご自身の身体とご相談ください。
身体に無理のない姿勢が一番です。
パターの基本その5【パットのリズム】
パターを振り子のように振りたいので、テイクバックとダウンスイングは同じスピードになるのが理想です。ダウンスイングの方が多少早くなるのは良いにしても、テイクバックよりダウンスイングの方が遅い、またはインパクトでブレーキがかかっているようなリズム、いわゆるインパクトでのゆるみはNGです。
また、ブレーキがかかるということは腕や手の力を使っているということです。背中や肩甲骨でストロークすれば、ブレーキをかけることはできません。背中や肩甲骨は大きな筋肉なので、器用な動きができないからです。
インパクトでのゆるみに悩まれている方は、是非、背中や肩甲骨でストロークするようにしてみてください。
腕や手を使ったストロークは、振り幅というよりは、インパクトの強さで調整する打ち方になりますが、これではいつまでたっても距離感が安定しません。必ずテイクバックとダウンスイングは同じスピードとし、パターヘッドの振り幅で再現性の高いストロークを作りましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。これらの基本を参考にされて是非練習してみてください。
パターのパッティングスタイルがせっかく決まっても、パターが自分に合ったものでなければ、上達ができません。次回は「自分に合ったパターの選び方」についてご紹介したいと思います。