全3回でお送りしている「PINGG400UTをカーボンからスチールへ自分でリシャフト」の今回第2回は【シャフト抜き編】です。
第1回で準備したものを使って、シャフトを抜いていきます。丁寧に記録しているつもりなので、最後までお付き合いの程よろしくお願いします☆
では早速はじめましょう!
ソケットをカットする
今回、付いていたソケットと同じサイズの物を入手することができなかったので、カットしてサイズ調整します。付いていたソケットと同じ物を入手できれば、これは不要な作業になります。
付いていたソケットと購入したソケットのサイズ比較表です。
付いていたソケット | 購入したソケット | |
ソケットの最大外径(ヘッドネックの外径) | 13.0 mm | 13.7 mm |
ソケットの内径(シャフトの外径) | 9.4 mm | 9.4 mm |
ソケット長 | 14.0 mm | 18.9 mm |
購入したソケットは長さが5mm程長いのでカットします。
使うのはこちらの糸のこです。
これを使ってカットします。※指を切らないようにご注意を!
切れました!
続いて、紙やすりで綺麗に仕上げます。
また、小さいものに対して刃物を使うので、怪我にはくれぐれもご注意を!
ほぼ同じスペックの物ができました!
付いていたソケット | 購入したソケット | |
ソケットの最大外径(ヘッドネックの外径) | 13.0 mm | 13.7 → 13.3 mm |
ソケットの内径(シャフトの外径) | 9.4 mm | 9.4 mm |
ソケット長 | 14.0 mm | 18.9 → 14.0 mm |
ソケットは外形がテーパー状になっているので、カットすると最大外径(カットした面の外径)が小さくなります。13.0mmにはなりませんでしたが、13.3mmまで近づきました。
付いているソケットを取り外す
シャフト抜き器でシャフトを抜く際にソケットが邪魔になるので、付いているソケットを取り外します。
ヒートガンで軽く温めて、ソケットを柔らかくします。
カッターでカットして取り外します。
シャフトまで削らないように気を付けましょう。
カーボンシャフトをシャフト抜き器で抜く
H2PROシャフト抜き器の準備
ではシャフト抜き器を準備します。
シャフト抜き器を万力で固定できればベストですが、ゴムやシリコン製の滑り止めマットを敷くことでも、十分滑らず安定した作業ができるようなります。
\★滑り止めマットはこちら★/
この滑り止めマットの上にシャフト抜き器を置きます。
\★シャフト抜き器はこちら★/
左に少しずらして置いているのには理由があります。
ヘッドが抜けた時に、ヘッドの中から硬化した接着剤の粉がポロポロと落ちてきて、網状のマットの隙間に入り込んで面倒なことになるからです。滑り止めマットの左ギリギリに寄せておけば、粉がマットの隙間に入り込むのを避けることができます。
シャフト抜き器にシャフトをセット
シャフト抜き器の準備ができたら、シャフト抜き器の付属レンチでバネを締めていきます。
B2の位置まで締めます。
シャフトをセットします。シャフト抜き器付属の治具をヘッドのネックとシャフトの段差に突き当てます。
穴のサイズが4種類あるので、シャフトの太さに合った穴に当てます。
上の大きなハンドルを回してクランプを緩め、間にシャフトを入れたら、シャフトが動かないようにハンドルを回してクランプを締めます。
※クランプの締めすぎには注意しましょう。シャフトがめりめりっと割れてしまいます。
この時、ネックに突き当てた治具がしっかりとネックに突き当たるように、シャフトを右にひっぱりながらクランプを締めてください。治具の箇所がグラグラするようでは、バネを伸ばしてテンションをかけていくときに、バネの張力を最大限に活かせなくなってしまいますので。
クランプを締めたら、バネを少し緩めます。
”少し”というのがどのくらいか分かりにくいので、定量的に言うと、レンチで90度くらいです。上の左の写真から右の写真くらいまでです。
シャフト抜き器でシャフトを抜く
いよいよ温めながらシャフトを抜いていく作業に入ります。
ヒートガンでネック部分を四方八方からまんべんなく温めていきます。少しヒートガンを左右に振りながら温めると、熱が集中してしまう箇所がなくなるのでシャフトへのダメージも軽減できます。
抜けてきました。少しでも抜けてきたら、温めを止めてレンチでバネを緩めていきます。
どんどん緩めていきます。
抜けました!
かなりの量の接着剤の粉ですが、ピンセットなどである程度取り除いたら、アセトンとキッチンペーパーなどの紙で粉をきれいに取り除きます。
私はこちらのアセトンを使っています。
\★アセトンはこちら★/
アセトンを容器に取り、
キッチンペーパーに染み込ませ、ホーゼルに突っ込んで捻じりながら接着剤のカスを取り除きます。
きれいになりました!
無事シャフト抜き完了です!!
スチールシャフトをカットする
こちらが今回装着するスチールシャフトです。
【N.S.Pro 950GH Utility フレックスS】
\★N.S.Pro 950GH Utilityはこちら★/
ではシャフトをカットしていくのですが、クラブの長さを測る専用の定規がありません。
なので、抜いたカーボンシャフトと長さを比較してカットすることにします。
PINGの4番ユーティリティは、カタログ値でカーボンシャフトが39.75インチ、スチールシャフトが39.25インチとなっています。今ついているカーボンシャフトはお店で購入しているので、長さは39.75インチのはずです。
抜いたカーボンシャフトより0.5インチ短くします。1インチが2.54cmなので、0.5インチは1.27cmです。
グリップエンドの底の部分には厚みがあるので、その長さもカットの考慮にいれます。底の厚みは7mm程度なので、トータル:1.27+0.7=1.97cmをカットすることにします。数字を丸めて2cmカットすることにします。
下の写真のグリップの方が抜いたカーボンシャフトのグリップの部分です。上が新しく装着するスチールシャフトです。Tip側(ヘッドが付く側)を揃えて、Butt側(手元になる側)をカットします。グリップの端から2cmの位置に赤ペンで印をしました。
パイプカッターを使って、赤線の印でカットします。
カットできました。
カット後のバリでこの後の作業中に怪我をしないように、金やすりで削っておきましょう。
きれいにバリが取れました。
スチールシャフトの接着面を下処理する
カーボンシャフトを差し戻してみると、削っているのはホーゼルに入る長さ+ソケットの半分です。ソケットとの接着も良くするためですね。
では、スチールシャフトをホーゼルに装着して、ソケットの半分の長さの所に赤い線で印をします。
このように並べて印をしても良かったです。。
では、この赤い印より上を削っていきます。
カーボンは簡単に削れるので手でもいいのですが、スチールは手でやるとかなりきつかったので、サンダーを使っています。
\★サンダーはこちら★/
#80の紙やすりを取り付けて、サンダーで削っていきます。
こんな感じになりました。
仕上げに手で紙やすりを当てて、シャフトをクルクルと回転させます。
頑張って20周くらいさせると、きれいに仕上がりました。
次回へつづく・・
第2回シャフト抜き編、長時間読んで頂きありがとうございました。
最終回の次回は、調整とシャフトを装着して仕上げていきます!
【全3回】PINGG400UTカーボンからスチールへ自分でリシャフト★第3回調整・シャフト装着編
最終回もよろしくお願いします☆
PINGのスチールシャフトの4番ユーティリティは、カタログスペックで39.25インチです。N.S.Pro 950GH Utilityは39か39.5インチ用の取り扱いしかないので、39.5インチを購入して、カットして使用することにしました。仕上りは39.25インチにします。